> 二十四節気の言葉の中にはかなり意味のとりにくいもの(とくに現代の
>若い人にとって)もありますし、誤解されているものもありますので、
>以下かんたんに注釈をつけてみたいと思います。
> 立春は「春の気立つ」の意味です。「亢竜(こうりゅう)の悔(くい)」という
>言葉があります。竜は想像上の動物ですが、勢い鋭く天に昇るとされています。
>その竜が勢いにまかせて天に昇り、九天を貫いて最上の天に達したところ、
>そこはもう天の終わりで、もう昇るべき天がない。これから先は下るだけか、
>というのが亢竜の悔という言葉の起こりで、「のぼりつめた者は下がるだけ」、
>「欲望を100パーセント満足したものはもはや望みが先にないので待ち受けて
>いるのは失望・淋しさのみ」、「欲望は100パーセント満足させるものではない」
>などの意味をもっています。
> ところで冬は寒いものですが、その冬の寒さもいつかは頂上に達するときが
>ありましょう。寒さが頂上になったのですから、翌日からは暖かさが
>じわりじわりとしのびこんできて、寒さがやわらぐことになります。この寒さの
>頂上の日が立春なのです。「陰の気きわまって陽の気きざす」、陽の気つまり
>春の気がしのびこみ始める日、それが立春、というわけです。
> よく「立春だというのにこの寒さ、春はまだまだだ」などという言葉を聞くことが
>ありますが、これは立春の意味をとりちがえている人のいうことです。立春だから
>最高の寒さなのです。まちがえないようご注意ください。
> なお立夏・立秋・立冬も同じような考えかたから生まれた言葉です。
>つまり立夏は春たけなわのころ、立秋は夏たけなわのころ、立冬は秋たけなわのころ、
>のことであって、まちがっても「立秋だのに、ちっとも涼しくない」などと
>いわないようにしてください。