立春、寒くて当たり前。

(2006年2月4日立春執筆、同年9月23日秋分移動・追記、
     翌日微修正、2010年3月6日啓蟄再追記)


立春です。かなり寒いです。
#個人的には、立秋の暑さよりも、立春の寒さの方がこたえます。
#まぁ常春の東京では、暑さも寒さも熊本と比べると大したことないのですが...。

で、今日も、カメラの前で次のような恥ずかしい発言をしたorさせられた
無知なor可哀相なTVキャスターが、少なからずいたようです。
#ほとんど「お約束」ってやつですか...。

「今日は立春。暦の上では春ですが、まだまだ寒い日が続いています...。」

でも、これは、とんでもない誤りで、
立春に寒いのは、実は当然のことなんです。
九州以北に限ってのことかもしれませんが。

私がひとりで言っても、説得力が足りないので、
ちゃんとした出典から抜粋しておきます。
#句読点の表記や改行の位置などは変更しています。 は引用記号です。


>  二十四節気の言葉の中にはかなり意味のとりにくいもの(とくに現代の
>若い人にとって)もありますし、誤解されているものもありますので、
>以下かんたんに注釈をつけてみたいと思います。
>  立春は「春の気立つ」の意味です。「亢竜(こうりゅう)の悔(くい)」という
>言葉があります。竜は想像上の動物ですが、勢い鋭く天に昇るとされています。
>その竜が勢いにまかせて天に昇り、九天を貫いて最上の天に達したところ、
>そこはもう天の終わりで、もう昇るべき天がない。これから先は下るだけか、
>というのが亢竜の悔という言葉の起こりで、「のぼりつめた者は下がるだけ」、
>「欲望を100パーセント満足したものはもはや望みが先にないので待ち受けて
>いるのは失望・淋しさのみ」、「欲望は100パーセント満足させるものではない」
>などの意味をもっています。
>  ところで冬は寒いものですが、その冬の寒さもいつかは頂上に達するときが
>ありましょう。寒さが頂上になったのですから、翌日からは暖かさが
>じわりじわりとしのびこんできて、寒さがやわらぐことになります。この寒さの
>頂上の日が立春なのです。「陰の気きわまって陽の気きざす」、陽の気つまり
>春の気がしのびこみ始める日、それが立春、というわけです。
>  よく「立春だというのにこの寒さ、春はまだまだだ」などという言葉を聞くことが
>ありますが、これは立春の意味をとりちがえている人のいうことです。立春だから
>最高の寒さなのです。まちがえないようご注意ください。
>  なお立夏・立秋・立冬も同じような考えかたから生まれた言葉です。
>つまり立夏は春たけなわのころ、立秋は夏たけなわのころ、立冬は秋たけなわのころ、
>のことであって、まちがっても「立秋だのに、ちっとも涼しくない」などと
>いわないようにしてください。

     
  出典:「新版 天体観測ガイドブック (『天文年鑑』を100%活用するために)」
       鈴木敬信 著   誠文堂新光社 刊
       1976.5.15 第1版発行   1980.8.30 第5版発行
       (この本の、8頁〜9頁からの抜粋です)
     


だそうです。

実は、この抜粋は、2004年立秋に書いた 「 立秋、暑くて当たり前。 」 と同じもので、
両者は重複しています。

重複の理由は、
まず、 クラシック館 で、 「 立秋、暑くて当たり前。 」 の初版を書き(2004.8)、
その後、この文章の初版を 「村瀬 泰一 どっとこむ」 (の、厳密には、別のフォルダ) で書き(2006.2)、
さらに後に、今のフォルダに両者を集約させた(2006.9)、
という沿革上の経緯によるものです。



ちなみに、今日(2006年2月4日)の日本経済新聞の夕刊の11面に
こういう見出しがありました。
#東京周辺ローカルかもしれませんが...。

「立春 名ばかり」 「都心で氷点下 未明には強風」

日経の読者でない方々のために、NIKKEI NET の当該記事にリンクを張っていたのですが、
リンクが切られたようです。あしからず。

そこで、頑張って(?)、2006年2月の日本経済新聞縮刷版の該当箇所のコピーを入手しました!
そして、縮刷版のコピーをスキャナで読み取って、当該記事の周辺部分をトリミングして、
480X640にリサイズしたものを、ここにUPします。
下のサムネイル画像(96X128)をクリックすると、元の画像(480X640)が表示されます(約129KB)。
・・・って、何だか「村瀬 泰一 雑感録」みたいですね。まぁ、いいか。

立春 名ばかり

1日の最低気温が氷点下という、いわゆる「冬日」は、東京都心では、ちょっと珍しいことです。
#今回(2005-2006)の冬は記録的な厳冬とのことで、冬日も数回あったそうですが。

それにしても、立春に寒くて、「名ばかり」とは、変な見出しですね(笑)。


最後まで読んで頂き、ありがとうございました。


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