準惑星

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冥王星が「惑星」ではなくなり、「dwarf planet」なる概念に
属することとなったことは、以前に書きましたが、
この「dwarf planet」の日本語訳は「準惑星」とされることが
ほぼ決まった模様です。


日経トレンディのサイトの該当記事へのリンクを張ります。
ウェブ魚拓によるキャッシュはこちらです。

昨年夏の時点での各種報道の中には「dwarf planet」を
「矮惑星」などと訳すものがありましたが、
「わいわくせい」だと何だか、どこぞのB級SF映画あたりで
作品中に出てくる惑星の名前をつける手間もケチって、
「X惑星」「Y惑星」「Z惑星」…と呼んでるみたいな感じで、
個人的には、ちょっとしっくりこなかったものです。
その点「準惑星」だとしっくりきます。

もっとも、「準惑星」だと、「準星」と紛らわしいと
感じる人もいるでしょうが、
それは、多分、「クエーサー(quasar)」を「準星」と称することに
問題があったのでしょう。
…などと書いてると、
「quasarは『quasi-stellar object』を縮めたものだから
 『準星』でいい!」
という、つっこみが来るかもしれません。
#「quasi-stellar object」を直訳すると
#「準恒星状天体」らしいです。
ですが、恒星はおろか、銀河系より明るい天体を
「quasi-stellar object」などと称したのが、
そもそも問題だったのでしょう。
#地球からだと準星が暗くしか見えないのは、
#距離が遠いためです。

クエーサーの話はさておき、準惑星の話に戻りますが、
現時点では
1.ケレス(小惑星番号1,片仮名では「セレス」とも表記される)
2.冥王星(小惑星番号134340)、
3.エリス(小惑星番号136199、仮符号「2003 UB313」)
の3天体(発見順)については、
一般に準惑星として扱われているようです。
また、カロン(発見以来、冥王星の衛星とされてきたが、
冥王星との共通重心が冥王星の外にあるらしく、
冥王星と二重準惑星になっているとも評価しうる)
を準惑星として扱う出版物やサイトも
少なからず存在するようです。

他にも準惑星の候補とされる天体が複数存在しており、
昨年夏のIAU総会決議での「dwarf planet」の定義の
妥当性も含めて今後の議論待ち、ということでしょう。

参考:国立天文台 アストロ・トピックス (234) 惑星定義に関する経緯と解説

なお、「国立天文台 アストロ・トピックス (234) 惑星定義に関する経緯と解説」は、
AstroArtsのサイトにも転載されています。
#AstroArtsのサイトの方が<関連ニュース>への
#リンクが充実してます。

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このページは、村瀬 泰一が2007年4月 7日 20:27に書いたブログ記事です。

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