夏至です。げしげし...。
(2007年6月22日夏至執筆開始、翌日未明脱稿)


今日は、夏至です。

いよいよ夏の始まりです。

立夏 ではなく、夏至が、夏の始まりだということは、以前に書いた、
立秋、暑くて当たり前。」や「立春、寒くて当たり前。」を
読んで頂ければ、わかってもらえることでしょう。

とはいえ、今の時期は、「」というよりは「梅雨」でして、
空梅雨(からつゆ)でもない限り、雨や曇りの日が多く、
なかなか「」を実感できないかもしれません。


もっとも、東京の梅雨は、私から見ると、
ほとんど毎年が空梅雨であるかのように感じられるのですが、
それは、熊本の梅雨を比較の対象にしてしまうからなのでしょう。

ちなみに、『理科年表』平成4年(1992年)版の「気80(270)」頁にあった、
「梅雨期間の降水量の平年値」の表によると、
「梅雨の入りから明けの前日までの総降水量を
1961年から1990年までの30年間について平均したもの」が
東京は267.5mmで、熊本は713.2mmだそうです。
#『理科年表』の「気80(270)」頁とは、『理科年表』全体の中では270頁で、
#気象部だけでは80頁、ということです。

この表に載った地点(青森〜那覇の69地点)の中では、
名瀬(687.7mm)や尾鷲(668.1mm)や鹿児島(637.1mm)などをおさえて、
熊本が全国1位になっています。
「梅雨の入りから明けの前日まで」の日数が違うから単純比較はできない、
との見方もできますので、参考までに、
この表に載っていた梅雨入り・梅雨明けの平年日も載せておきます。
東京……梅雨入り6月 9日、梅雨明け7月20日
> 尾鷲……梅雨入り6月 9日、梅雨明け7月18日
熊本……梅雨入り6月 8日、梅雨明け7月18日
> 鹿児島…梅雨入り6月 2日、梅雨明け7月13日
> 名瀬……梅雨入り5月11日、梅雨明け6月28日
但し、これらの平年値は「1961年から1990年までの30年間について」の
平均ですので、少し古いデータであることに留意して下さい。
近年の梅雨入り・梅雨明けの報道で用いられる平年日とは
異なる場合がありえます。
#最近の『理科年表』には「梅雨期間の降水量の平年値」の表が載ってないようです。

あと、細かいことをいえば、近畿地方と四国地方では1963年の梅雨入りの日が
決定されなかったため、その年を除いた29年間の平均だそうです。
また、いくつかの地点(上記の5箇所を含まない)では、
「官署」(=気象台のこと?)の移転などにより、変則的な扱いになっています。

ご参考までに、理科年表オフィシャルサイトへのリンクも張っておきます。


それはさておき、夏至の頃には、
天気が良い時はもちろんのこと、たとえ天気が悪い時であっても、
夜明けに明るくなるのがかなり早く、夕方も暗くなるのが遅いことを、
はっきりと実感できます。

ですが、昼の長さは夏至がピークで、
これからは、だんだんと昼が短くなるのかと思うと、
季節の移ろいのはやさを思い知らされます。

ただ、以前に書いた「冬至りなば...。」と実質的に重複するのですが、
北半球の温帯地域において、夏至の日は、
確かに1年で昼が最も長い日なのですが、
日の出が最も早い日でも、日の入りが最も遅い日でもありません。
#『天文年鑑』(誠文堂新光社)の2007年版の68-71頁によると、
#東京で、日出が最も早いのは6月中旬ごろ、
#日没が最も遅いのは6月末から7月初めごろのようです。
これは、「均時差(きんじさ)」によるものです。
詳しくは、「冬至りなば...。」をご覧下さい。


夏至 の話よりは梅雨の話が中心になってしまいましたが、
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。


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