大寒です。おおいに寒いです。

(2008年1月21日大寒執筆開始、翌日脱稿、翌々日未明微修正、
 同年3月5日啓蟄加筆、同年10月24日未明微修正 )


今日は、大寒です。
寒中、すなわち小寒から節分(立春の前日)まで、の、ほぼ中間です。

今までに度々触れた、池袋のビックカメラで毎年末に配ってる
日本地図カレンダーの2008年版によると、
「一年で一番寒さの厳しい頃。逆の見方をすれば、
これからは暖かくなるということである。春はもう目前である。」
とのことです。

このように、大寒というと、「1年で最も寒さの厳しい頃」
という見方も、かなり広まっています。
とはいえ、もともとの意味としては立春が寒さのピークであることは、
立春、寒くて当たり前。』や『立秋、暑くて当たり前。』などで、
何度も書いたとおりです。
つまり、大寒というのは、おおいに寒い、とか、とても寒い、ではあっても、
最も寒い、ではないということです。

もっとも、各種サイトによりますと、『暦便覧』という
天明八年に出版された暦の解説書には、大寒について、
「冷ゆることの至りて甚だしきときなれば也」と解説しているそうです。
このあたりから大寒を「1年で最も寒さの厳しい頃」とする見方が
広まったのかもしれません。

#余談ですが、「天明八年」は西暦に換算すると、1788年だそうです。
#新暦と旧暦との違いを無視した換算で、ごめんなさい。
#要は、江戸時代の後半、といっても「幕末」とは言わない、
#江戸時代の3分の2を過ぎたあたりの頃です。
#2年前に老中を罷免された田沼意次の死去した年です。
#また、徳川家斉が11代将軍になったり、「寛政の改革」でお馴染みの
#松平定信が老中になったりしたのは、この前の年(天明七年)です。
#西洋では、アメリカ独立宣言(1776年)とフランス革命勃発(1789年)の間の時代です。

ただ、大寒立春とで、どちらが寒いかは、
地域や年によっても異なることは否定できません。

きちんと統計を調べたわけではありませんが、私の個人的な感覚としては、
熊本市では1月後半が最も寒いような印象を持ってます。
つまり、立春というよりは、大寒です。
これに対して、東京では、1月よりは2月の方が寒く感じる年が
多いような気がします。つまり、大寒というよりは、立春
ひょっとすると、さらに、雨水(うすい)かもしれません。

#概して、東京より熊本市の方が、季節の変化が1ヵ月ほど早いようです。
# 『村瀬 泰一 雑感録』の中の『東京は木枯らし、熊本では初霜・初氷』でも
#書いたことですが、この冬(2007〜2008年)も、
#東京で木枯らし1号を観測した翌朝には、熊本市では初霜・初氷でした。


また、同じ東京でも、年によって違ってきます。
年間最低気温を記録した日、ではなく初雪の日の違いの話になりますが、
この冬(2007〜2008年)の東京での初雪は1月16日で、
昨シーズン(2006〜2007年)の東京での初雪は3月16日でした。
また、過去数年には、東京でも
年末に大雪が降って積雪を踏んで初詣に行った年や、
12月上旬に雪が積もった年もあります。

#ただ、東京の場合、暖冬の方が雪が降りやすいらしいので、
#初雪の日で比べるのは不適切かもしれませんが…。
#あ、昨シーズンに東京での初雪が、なかなか降らなかったのは、
#雪の降りやすい暖冬よりも、もっと極端な暖冬だったからでしょう。

ですが、地域や年による違いのないこともあります。
まず、申し遅れましたが、大寒とは、
太陽黄経が300度となる瞬間、もしくはその瞬間を含む日です。
春分まであと60度、約2ヶ月です。
そして、『天文年鑑』2008年版の72〜73頁によると、
今日の東京の日没は16時56分とのことです。
冬至の頃の東京での日没は16時31〜32分で、
均時差の関係で冬至より日没の早い12月上旬には
16時28分頃ですから、日没はだんだん遅くなってきています。
それぞれの都市によって日没時刻は違ってきますが、
今の季節には日没がだんだんおそくなってきているということは、
年や都市による違いはありません。北半球の温帯地方に限れば、ですが。

#なお、均時差については、『冬至りなば...。』に書いてあります。

いずれにせよ、もうすぐ、冬も後半ということです。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。


村瀬 泰一 どっとこむ TOPページ に戻る。
二十四節気シリーズ カテゴリーページ に戻る。